体験者インタビュー
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体験者インタビュー1

(聞き手: ライター 佐々木 至)
もくじ |
1. 大手の下請で実績豊富な業者に、安く直接発注できた
2. 管理会社の見積りは、修繕積立金を500万円オーバーしていた
3. コンサルタントにもマンションを見てもらったが、結局依頼しなかった
4. 施工業者は、管理会社を関与させず選定
5. 住民とのコミュニケーションもしっかり取りながら工事してもらえた
6. これから大規模修繕をするマンション管理組合の方へのアドバイス
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「ルピナス三ッ沢公園」概要 | ![]() |
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所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区 | ||
構造 | 壁式鉄筋コンクリート造 | ||
規模 | 地上4階建 | ||
敷地面積 | 765.14m2 | ||
建築面積 | 384.78m2 | ||
延床面積 | 1282.13m2 | ||
総戸数 | 18戸(ほか管理人室1) | ||
立体駐車場 | 3基 | ||
竣工 | 平成9年 |
― はじめに、楠さんの自己紹介をお願いします。

楠(くすのき)です。今年6月まで、横浜市神奈川区のマンション「ルピナス三ッ沢公園」管理組合の理事長を務めていました。
― 「ルピナス三ッ沢公園」では、大規模修繕をいつ実施しましたか。
今年7月末から10月半ばにかけて、実質3ヶ月で大規模修繕を実施しました。
工事が完了して、現在約2ヶ月が経ったところです。
― 今回の大規模修繕を、どのような施工業者に依頼しましたか。
「大規模修繕比較.com」で紹介された3社から、価格や工事内容などの条件が最も優れていた施工業者を選び、直接依頼しました。
― 費用は予算内に収まりましたか。
はい。予算よりかなり安い金額で、こちらが希望するすべての工事を実施してもらえました。これまで積み立ててきた修繕積立金を、次回のため、いくらか残しておくことができました。
― ここで、「大規模修繕比較.com」でマンション大規模修繕についての相談に応じている長岡さんに質問です。今回「ルピナス三ッ沢公園」管理組合が大規模修繕を依頼したのは、どのような業者ですか。

(「大規模修繕比較.com」長岡) 今回「ルピナス三ッ沢公園」管理組合様が依頼されたのは、大手建設会社の下請でマンション大規模修繕を長年手がけてきた、実績豊富な施工業者です。
大手建設会社の下請と言っても、大手から文字通り“丸投げ”で施工を請け負っている業者ですから、マンション大規模修繕に関わるすべての工事を、自社で施工・監理できます。
ですから下請というより、むしろ“実質的な元請”と呼んでいい施工業者です。
このように大手建設会社からの丸投げで大規模修繕を請け負っている“実質的な元請業者”は、元請である大手建設会社との契約上、自社で施工した大規模修繕を、自社の実績として公表することができません。マンション管理組合との打ち合わせや、工事現場で、自社の名前を出すこともできません。ホームページを持っていることさえまれです。
このため、マンション大規模修繕を実際に請け負っている“実質的な元請業者”を、一般の方が直接見つけ出すことはまず不可能です。
「大規模修繕比較.com」には、こうした豊富な実績を持つ“実質的な元請業者”が、数多く登録されています。
管理会社の見積りは、修繕積立金を500万円オーバーしていた
― 大規模修繕の必要性を感じたのは、いつ頃でしたか。
5年前、ちょうど築10年になった時、建物診断を実施した管理会社から、劣化箇所の指摘と共に大規模修繕の提案を受けました。
劣化を指摘された箇所を見ると、屋上面の爆裂、壁面タイルの浮きやはがれ、長尺シートのめくれ、ガスメーターのパイプのサビなどがあり、立体駐車場は塗装がはがれサビがむき出しになっていました。大規模修繕が必要であることは、素人目にも明らかでした。
竣工後5~6年経った頃マンション販売会社から提示された「長期修繕計画」でも、築10年での大規模修繕の実施は予定されており、そのための費用も「修繕積立金」として積み立ててありました。
ただ、いざ大規模修繕に踏み切るとなると、住民の意見の集約や業者の選定などなにかと煩雑なこともあり、実施は何年も見送られ続けてきました。
その後も理事会のたびに、管理会社から、大規模修繕の必要性は聞かされていました。
― 大規模修繕の実施に踏み切ることを、いつ決めましたか。
昨年6月です。私が管理組合理事長に就任したのを機に、「このまま放置すれば、マンションの劣化がさらにひどくなり、修繕費が余計にかさむ」と考え、理事会に諮り、大規模修繕の実施を決定しました。
理事会には管理会社も同席していましたので、大規模修繕の実施を決定して間もなく、管理会社から見積りが提示されました。
― 管理会社の見積りはいかがでしたか。
管理会社の見積りは、修繕積立金の残高を500万円オーバーしていました。
費用が修繕積立金の残高を超えてしまうと、その分はマンション住民から追加徴収するか、銀行から借り入れるかしなければなりません。理事会や総会の同意を取り付けるのも、難しくなります。
納得の行く条件で修繕できるように、他の業者からも見積りを取ることにしました。
― 長岡さんに質問です。なぜマンション管理会社の見積りは、修繕積立金をオーバーすることが多いのでしょうか。
(「大規模修繕比較.com」長岡) マンション管理会社の見積りが修繕積立金をオーバーすることが多い理由は、主に3つあります。
1つ目は、大規模修繕をマンション管理会社に依頼すると、無駄な中間マージンが二重に発生するからです。
マンション管理会社は、大規模修繕を、親会社であるマンション建設会社に丸投げします。マンション建設会社は、施工・監理に関わる一切を、“実質的な元請業者”に丸投げします。いずれの段階でも、多額の中間マージンが発生します。
2つ目は、マンション管理会社に依頼すると、価格競争が働かないからです。
マンション管理会社はマンション建設会社の子会社です。施工業者もマンション建設会社の関連会社に決まるのが普通です。これでは、ほとんど売り手側の都合だけで価格が決まってしまいます。
3つ目は、マンション建設会社が、マンション販売時に大規模修繕の費用を低めに見積もって修繕積立額を決めていることが多いからです。
マンション建設会社は、マンションを販売する際、区部所有者が支払う費用を、少しでも安く見せようとします。このため、毎月の修繕積立額が低めになるように、大規模修繕の費用を見積もる傾向があります。マンション販売時に低めに見積もられていた修繕費用と、実際に修繕が必要になった段階で見積もられた費用の差が原因で、見積額が修繕積立金をオーバーすることも多いようです。
― マンション大規模修繕を請け負う業者を、どのように探しましたか。

インターネットで、「マンション 修繕」などをキーワードに検索しました。
マンション大規模修繕のコンサルタント会社のサイトがいくつかと、「大規模修繕比較.com」のサイトが見つかりました。
― 施工業者のサイトは見つかりましたか。
よく調べれば、施工業者のサイトも見つかったのかもしれません。ただ、私が見た範囲にはありませんでした。
― コンサルタント会社と「大規模修繕比較.com」のサイトが見つかった後、どのように行動しましたか。
いつくか見つかったコンサルタント会社の中から、感じがよさそうだった1社を選び、電話をかけました。「相談は無料」とのことだったので、マンションまで来てもらい、説明を聞き、マンション全体を一通り見てもらいました。
「大規模修繕比較.com」からは、今回依頼した施工業者を含め、3社を紹介されました。
― コンサルタント会社との話は、その後どうなりましたか。
その後何度か電話がかかってきましたが、結局、コンサルタントは使わないことにしました。
コンサルタントを使うとなると、コンサルタント料の予算を別に確保しなければなりません。それは面倒に感じました。これぐらいの規模のマンションの改修なら、コンサルタントを挟まず施工業者と直接交渉した方が、話が早いと思いました。
― 長岡さんに質問です。コンサルタントを使わないことに決めた楠さんの判断を、どう評価しますか。
(「大規模修繕比較.com」長岡) この規模のマンションの大規模修繕でコンサルタントを使わなかったのは、たいへん賢明な判断でした。
コンサルタントに業者の選定や施工の監理を依頼する方式を、『設計監理方式』と言います。一方、施工業者に直接発注する方式を、『責任施工方式』と言います。
発注額が1億円を越えるような大規模工事なら、『責任施工方式』(=施工業者に直接発注する方式)よりも『設計監理方式』(=コンサルタントに依頼する方式)の方が、コストを抑えられるケースが多くなります。また、100世帯以上の規模のマンションの大規模修繕を実施する場合、住民の合意を取り付ける作業も煩雑になりますので、コンサルタントに住民の合意の取りまとめを代行させるメリットも出てきます。
これに対して、世帯数が数十世帯以下のマンションの大規模修繕では、コンサルタントが入ることで削減できるコストよりも、コンサルタントに支払うコンサルタント料の方が高くなってしまうのが普通です。
「大規模修繕比較.com」を利用すれば、複数の施工業者を競わせて最も条件の良い業者に発注できるので、コンサルタントを使わなくてもコストの削減は可能です。
また、数十世帯以下のマンションの大規模修繕であれば、住民の合意の取りまとめも、一般にそれほど難しくありません。
マンション大規模修繕コンサルタントが書いた書籍やウェブサイトを読むと、「『責任施工方式』(=施工業者に直接発注する方式)は、施工の品質リスクが高い」と書かれていることがありますが、そんなことはありません。万が一工事に不備があっても、各施工業者が加入している瑕疵保険がありますから、追加負担なしで工事をやり直させることができます。
管理組合理事会で住民の合意を取りまとめられるなら、数十世帯規模のマンションの大規模修繕でコンサルタントを使うことは、お勧めできません。
管理会社を関与させずに施工業者を選定
― 「大規模修繕比較.com」から施工業者を3社紹介された後、どのように施工業者を選びましたか。
まず、管理会社から提出された見積書の金額欄を塗りつぶし、図面その他の資料をすべて添え、「大規模修繕比較.com」から紹介された3社に送りました。
まもなく、各施工業者の見積りが送られてきました。
3社のうち1社の見積りは、管理会社の見積りとほぼ変わらない金額でしたので、除外しました。残り2社のち、1社の見積りは修繕積立金の残高とほぼ同額でした。もう1社の見積りは、修繕積立金の残高よりかなり安い金額でした。この2社に何度か来てもらい、管理組合理事たちの前でプレゼンテーションをしてもらいました。
プレゼンテーションをしてもらった2社のうち、見積りが高かった方の業者も、「追加工事が発生した場合も追加料金なしで請け負うことを保証している」、「担当者の対応に非常に安心感がある」といった強みがあったため、単純に価格のみでの比較はできませんでした。
私たちが独自に施工業者を選定し始めたことを、管理会社に伝えたところ、管理会社も価格を引き下げた見積りを提示してきました。ただ、管理会社から再提出された見積りは、「大規模修繕比較.com」から紹介された施工業者の見積りに比べると、工事内容が見劣りするものでした。このため、管理会社は発注先の候補から外すことにしました。
残った2社と、価格や工事内容についての交渉をさらに重ね、最終的に最も納得の行く条件を提示してくれた1社に発注することを、理事会で決議しました。
理事会の決議は総会でも問題なく承認され、施工業者が正式に決まりました。
― 施工業者を選ぶ理事会に、管理会社は出席していましたか。
通常の理事会には管理会社も出席してもらっていましたが、施工業者を選ぶ理事会は、管理会社を出席させずに行いました。
― 長岡さんに質問です。施工業者を選ぶ理事会に管理会社を出席させなかった楠さんの判断を、どう評価しますか。
(「大規模修繕比較.com」長岡) これも賢明な判断でした。「施工業者を選ぶ理事会には、管理会社を出席させない」というのは、意外に忘れやすいポイントです。
管理会社の社員が、管理会社の社員であることを伏せてマンション管理組合の理事会や総会にもぐり込み、工事を管理会社に発注するように仕向けるケースもあるので、注意が必要です。
時々、「マンション管理組合は、管理会社の指示に従わなければならない」と考えている方がいらっしゃいますが、話はまったく逆で、管理会社は、マンション管理組合が雇う業者に過ぎません。管理会社の言いなりになることなく、マンション区分所有者全員の利益になるような業者選びをしていただきたいと思います。
この点、「ルピナス三ッ沢公園」管理組合様は隙のない運営をされました。
住民とのコミュニケーションもしっかり取りながら工事してもらえた
― 実際の施工は、いかがでしたか。

さすが実績のある施工業者さんだけあって、施工の計画・準備段階から、私たち理事やマンション住民とのコミュニケーションをしっかり取りつつ、一つ一つ着実に作業を進めてくれました。
計画段階では、あらかじめマンション住民の方にアンケートを取り、修繕箇所に漏れがないか確認してくれました。工事が始まってからは、エントランスホールに工事日程表し、「今日はどこでどのような工事が行われているのか」が一目でわかるようにしてくれました。エントランスホールにはアンケート箱も設置し、マンション住民が工事への要望を出しやすくしてくれました。
作業員のみなさんのマナーも良かったです。一日の工事の始まりと終わりには、入居者にインターホンで「今から工事を始めます」「今日の工事はこれで終わりました」と挨拶をしてくれました。
夏の暑い盛りに汗だくになって一生懸命作業してくれて、とても印象の良い業者さんでした。
― 長岡さんに質問です。実際の施工に対する楠さんの評価を聞いた感想はいかがですか。
(「大規模修繕比較.com」長岡) 今回ご紹介した業者の施工にご満足いただき、大変嬉しく思っております。
マンション監理会社や大手大規模修繕業者を通さず、“実質的な元請業者”に直接発注するメリットは、コストを抑えられることだけではありません。“より丁寧な工事”、“より丁寧な対応”を期待できることも、実は大きなメリットです。
大手建設会社の下請けで、自社名を出すことを禁じられた状態で仕事をしている多くの業者は、「いつか自社名で工事を請け負いたい」という思いを、強く持っています。直接発注であれば、施工する側も、「自分たちの社名にかけて」という意気込みで工事に打ち込めます。一般に工事というのは、外から見えない部分をどれぐらい手抜きせず行うかによって、工事直後の仕上がりが何年持つかが、大きく違ってきます。下請工事だからといって手を抜くことはないにせよ、直接発注の方が丁寧な工事を期待できることは、否定できません。
こうした自社請負に強い意欲を持つ施工業者が、「大規模修繕比較.com」には数多く登録されています。
これから大規模修繕をするマンション管理組合の方へのアドバイス
― これから大規模修繕をするマンション管理組合の方に、何かアドバイスがあればお願いします。
大規模修繕となると管理会社の主導になりがちだと思いますが、管理会社言うことを鵜呑みにせず、数社から相見積もりをとることをお勧めします。
施工業者を決めるにあたっては、必ずしも値段だけで選ぶのではなく、直接話をして誠意を感じる業者さんを選ぶ方がいいと思います。
施工業者の選定過程などは、マンション住民のみなさんに小まめに伝えた方が、総会で決議する際、住民のみなんさんの総意を得られやすいと思います。
工事が始まってからは、気づいたことがあれば遠慮せずに業者さんに言って、長い目で見て納得の行く修繕にしてほしいですね。
貴重なお話をありがとうございました。
※ 取材日:2012年11月
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体験者インタビュー2

(聞き手: ライター 佐々木 至)
もくじ |
1. 築39年のマンションを大規模修繕。躯体を補修し、給水設備も更新
2. 希望するすべての工事を実施し、次回の工事の資金も残せた
3. 給水設備が寿命に差し掛かっていた
4. 建て替えは現実的ではなかった
5. 「マンション管理会社に丸投げしない」が区分所有者のコンセンサス
6. 条件を満たす施工業者がネットでは見つからなかった
7. 見積りには1千万円近い開きがあった
8. 施工業者を決めたポイントは「価格」、「現場監督の信頼性」、「熱意」
9. 工事期間中のコミュニケーションも濃密だった
10. 素人感覚にも気になったことは遠慮せず伝えたほうがいい
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「志木コーポラス」概要 | ![]() |
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所在地 | 埼玉県志木市本町 | ||
構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート構造 | ||
規模 | 地上7階建 | ||
敷地面積 | 894m2 | ||
建築面積 | 418m2 | ||
延床面積 | 3011m2 | ||
総戸数 | 35戸(ほか管理人室1) | ||
竣工 | 昭和49年 |
― はじめに、大野さんの自己紹介をお願いします。

(「志木コーポラス」管理組合 第39期修繕委員長 大野氏)
大野です。会社員です。平成25年10月から平成26年1月まで、埼玉県志木市のマンション「志木コーポラス」管理組合の修繕委員長を務めました。
このマンションに入居したのは21年前です。入居して5年目あたりから、管理組合の役職を5年おきぐらいであれこれ引き受けるようになりました。理事長も何度か務めました。最近は区分所有者の高齢化が進み、3~4年に一回は何かの役職が回ってくるようになっています。
― 「志木コーポラス」では、大規模修繕をいつ実施しましたか。
平成25年の秋から翌年はじめにかけて実施しました。前回実施したのは平成8年でしたから、17年ぶりの大規模修繕でした。
― 今回どのような大規模修繕を実施しましたか。
今回は「建物躯体に入ったひび割れの補修」、「躯体開口部のシーリング打ち直し」、「内外壁および鉄部の塗装」などの一般的な大規模修繕に加え、「給水設備の改修」も行いました。
― 給水設備をどのように改修しましたか。
給水設備に関しては、地下の受水槽を廃止し、市営水道から直接屋上の水槽に揚水する方式に切り替えました。市営水道からの導水管、屋上水槽への揚水管、量水器廻りの給水管を交換し、ポンプも更新しました。また、消防設備も改修しました。
― 今回の大規模修繕を、どのような施工業者に依頼しましたか。
今回は「大規模修繕比較.com」で紹介された施工業者2社のうちの1社に、大規模修繕を依頼しました。
― ここで、「大規模修繕比較.com」でマンション大規模修繕についての相談に応じている長岡さんに質問です。今回「志木コーポラス」管理組合が大規模修繕を依頼したのは、どのような施工業者ですか。

(「大規模修繕比較.com」長岡)
(「大規模修繕比較.com」長岡) 今回「志木コーポラス」管理組合様が依頼されたのは、関東一円で年間60棟以上のマンション大規模修繕を手がける、比較的規模の大きな施工施工業者です。
「大規模修繕比較.com」には、各都道府県で大手建設会社からの“丸投げ”で(つまり実質的な元請けとして)マンション大規模修繕を監理・施工してきた、資本金1千万クラスの施工業者が多数登録されています。また今回のような、都道府県をまたいで事業を展開する中堅規模の施工業者も登録されています。
今回「志木コーポラス」管理組合様では、業者を選ぶ指標として「資本金の規模」と「直近の施工件数」を重視されるとのことでしたので、「大規模修繕比較.com」登録施工業者の中でも、特にこの2点に強みのある施工業者を紹介させていただきました。
また、今回は「建物躯体の補修」や「給水設備の改修」を伴う大規模修繕ということでしたので、これらの工事実績があるかどうかもチェックしました。
施工施工業者と一口に言っても、それぞれ得意分野が異なります。「大規模修繕比較.com」では、施工業者に登録してもらう際、施工実績の内容を細かく確認しています。このため、各マンション管理組合様のニーズに合った施工業者をご紹介できます。
実は、このように各マンションに必要な工事の技術を自前で持つ施工業者を、一般の方がネットなどで見つけるのはほぼ不可能です。マンション大規模修繕を実際に監理・施工している施工業者の多くは、大手建設会社からの“丸投げ”で工事を請け負っているため、元請会社との契約上、自社の実績をホームページで公表できないからです。
コンサルタントやマンション管理会社と施工御者の間の談合を防ぎ、中間マージンを省いて工事費を節約できるだけでなく、マンションごとのニーズに即した技術を持つ施工施工業者を見つけられることも、「大規模修繕比較.com」をご利用いただく大きなメリットなのです。
― 大規模修繕の費用は、予算内に収まりましたか。
はい。給水設備の更新も含めて、こちらが希望したすべての工事を、予算内で実施してもらえました。大切な修繕積立金をすべて使い切ってしまうことなく、次に工事が必要になった時のための資金を残しておくことができました。
― 大規模修繕について管理組合で検討し始めたのは、いつ頃でしたか。

(大野氏)
大規模修繕について具体的に検討し始めたのは、一昨年の秋ごろです。
本来は約10年ごとに実施すべき工事ですし、そのように定めた長期修繕計画も存在していました。マンション管理会社からは、前回の実施から10年が経過した平成18年頃から、折にふれて大規模修繕の提案がされていました。
しかし、修繕積立金が費用をまかなえる金額まで達していなかったこともあり、実施はずっと先延ばしになっていました。
― ずっと先延ばしになっていた大規模修繕を、どのようなきっかけで具体化に検討し始めましたか。
一つには、マンションが築40年近くなり、鉄製の給水管がそろそろ寿命に差し掛かってきたことが大きかったです。このまま放置しておくと、水質が悪化し始めたり、破裂・漏水したりする恐れがありました。
また、東日本大震災の時に外壁にできた小さなひび割れも気になっていました。
もう一つ大きかったのが、消費税率の改定が1年数ヶ月後に迫っていたことでした。増税前にすべての工事を終えるには、増税の半年前には着工しなければ間に合わなくなる恐れがあり、もう今から準備を始める必要があることに気づきました。
(「大規模修繕比較.com」長岡) マンション大規模修繕の準備を進める上で、消費税率の改定は無視できない要素です。消費税が2%上がれば、3千万円の工事なら60万円、5千万円の工事なら100万円、余計に費用がかかります。
「『責任施工方式』と『設計監理方式』(※)のどちらにするかを決める」、「建物の劣化状況を調べる」、「工事の仕様を決める」、「区分所有者の合意を取りまとめる」、「施工業者を選ぶ」と必要な手順を踏んでいるうちに、1年ぐらいはすぐに過ぎてしまいます。
※ | 『責任施工方式』……施工業者に直接発注する方式 | |
『設計監理方式』……コンサルタントに施工業者の選定や施工の監理を依頼する方式 |
工事自体も最低3カ月はかかります。予期せぬ原因で遅れややり直しが出ると、完了までに半年近くかかる場合もあります。
マンション大規模修繕は、「消費税率改定の1年以上前から準備を始めて、ようやくぎりぎり間に合うかどうか」というスケジュール感覚で取り組んでください。
参考:2019年(平成31年)10月には、消費税率が8%から10% に改定される予定です。 |
―マンションを建て替えることは検討しませんでしたか。
さすがに築40年近いということで、「建て替えた方がいいのでは」という区分所有者もいました。
しかし現実的には、建て替えは不可能な状況でした。建て替えるとなれば、費用の面でも手間の面でも、大規模修繕をはるかに上回る負担が発生します。
せめて建て替えを機に7階建てのマンションを10階建てぐらいにできれば、戸数を増やすことで、区分所有者一人あたりが負担する建て替え費用を減らせるかもしれません。しかし志木市では平成20年に、景観保護の観点から、特定区域の建築物の高さを25m(おおむね7~8階)以下に規制する都市計画が定められました。このマンションがある地区も、この高さ規制区域に指定されています。
高層化が法的に不可能な以上、建て替えた場合の費用は、既存の区分所有者が全額負担しなければなりません。そのような負担の大きい案が、区分所有者の大多数に支持される見込みはありませんでした。
― 長岡さんに質問です。このようなマンションの戸数を増やしながらの建て替えを規制する条例は、志木市以外にも見られるのですか。

(「大規模修繕比較.com」長岡)
(「大規模修繕比較.com」長岡) 同じような条例は志木市以外にも見られます。
現在、国の政策としてマンションの建て替えを促進する動きがあり、容積率規制の緩和が検討されているとの報道もあります。しかしこうした景観保護の観点や、小中学校等のインフラ需給逼迫防止の観点から、マンションの高層化に規制がかかるケースは引き続き多いと予想されます。
かつては区分所有者全員が同意しなければ実施できなかった建て替えも、現在は区分所有者の8割が同すれば実施できます。とはいえ、現実には8割の同意というのも高い壁です。
法的な環境が整うのを待ち、区分所有者同士の議論を続ける間にも、建物の経年劣化は進んでいきます。
建て替えを視野に入れて大規模修繕を先延ばしにするのは、得策ではないケースがほとんどでしょう。
― 大規模修繕を実施することが決まった後、修繕計画をどのように詰めていきましたか。

(大野氏)
まずこれはどこのマンションでもそうだと思うのですが、まだ計画の段階で大規模修繕に関心を持ってくれる方は、区分所有者全体の3分の1程度でした(笑)。
とりあえず関心のあるメンバーの間で意見が一致していたのは、「マンション管理会社に工事を丸投げしてはならない。複数の施工業者から見積りを取った上で工事の発注先を決めなければならない」ということでした。
― なぜ、区分所有者の間で「マンション管理会社に工事を丸投げしてはならない」というコンセンサスがあったのですか。
前回17年前の大規模修繕を含め、これまで様々な工事をマンション管理会社に任せてきたのですが、「請求される費用が少々高い」という印象がありました。
私自身は直接関わらなかったのですが、5年ほど前に屋上の防水層を改修した時は、相見積りを取った上で別の施工業者に発注し、費用を抑えることができました。そこで今回も、複数の施工業者から見積りを取って費用をできるだけ抑えようという話になったのです。
とはいえ、このマンションの状況を一番よくわかっているのはマンション管理会社です。たしかに自分たちで見つけた施工業者に直接発注すれば、マンション管理会社の中間マージン分は節約できるでしょうが、修繕すべき箇所が修繕されないようでは困ります。
また、マンション管理会社にはこの先も様々な場面で力を借りる必要があります。
そこで、「建物の劣化診断」と「工事仕様書の作成」をマンション管理会社に有料で依頼し、作成してもらった工事仕様書を元に、マンション管理会社を含む複数の施工業者の見積りを取ることにしました。
― マンション管理会社は「建物の劣化診断」と「工事仕様書の作成」をいくらぐらいで引き受けてくれましたか。
50万円ほどで引き受けてくれました。
― 長岡さんに質問です。「建物の劣化診断」と「工事仕様書の作成」で約50万円という金額は妥当でしたか。

(「大規模修繕比較.com」長岡)
(「大規模修繕比較.com」長岡) 「建物の劣化診断」と「工事仕様書の作成」で約50万円というのは、妥当な金額です。
マンションの大規模修繕には、コンサルタントに施工業者の選定や施工の監理を依頼する『設計監理方式』と、施工業者に直接発注する『責任施工方式』の、2つの方式があります。『設計監理方式』で大規模修繕を行うと、コンサルタントに支払う費用が200万円~300万円にもなります。
「無料で劣化診断を行う」というコンサルタント会社や施工業者もありますが、劣化診断の費用が別の費用に上乗せされているに過ぎません。
施工業者の選定をコンサルタントに依頼すると、コンサルタントと施工業者の間で談合が発生しやすく、この点でも工事費用が高くなりがちなのも問題です。
談合による工事価格の吊り上げが発生しやすいのは、マンション管理会社に工事を丸投げする場合も同じです。マンション管理会社と懇意の施工業者に発注されてしまうので、価格競争が働かないのです。
50万円程度でマンション管理会社に「建物の劣化診断」と「工事仕様書の作成」をさせた上で、工事仕様書を元に複数の施工業者を競わせて、最も条件の良い施工業者に直接発注するというのは、たいへん賢明なやり方でした。
このやり方で工事仕様書を作成すれば、管理組合に建築の専門家がいなくても、適正な大規模修繕を、コンサルタントを入れるよりはるかに安く実施できます。
― マンション管理会社に劣化診断を実施してもらった後は、どのような流れになりましたか。
劣化診断で修繕が必要とされたそれぞれの箇所について、どの程度の修繕を実施するか、修繕委員会で議論しました。給水設備をどのように更新するかについても、議論を重ねました。工事の仕様を詰めるのに、半年以上はかかりました。
工事の仕様が決まったところで、施工業者の選定に入りました。「消費税率改定の半年前には着工」というタイムリミットがあったので、けっこうあせりながら施工業者を探しました。
― 施工業者をどのように探しましたか。

(大野氏)
私たち区分所有者の中に建築士の方がいたので、その方のアドバイスに従い、「資本金の規模」と「過去3年の施工件数」が一定レベル以上の施工業者に、候補を絞ることにしました。質の低い施工業者に当たることは避けたかったので、要求レベルは厳し目に設定しました。
また、今回は建物の躯体補修や給水設備の更新を含めての大規模修繕ですので、塗装が専門の施工業者は候補から外しました。
さっそくネットで施工業者を探し始めましたが、条件を満たす施工業者はなかなか見つかりませんでした。
このマンションを建てた大手ゼネコンに問い合わせようかという話も出ましたが、小さなマンション管理組合が大手ゼネコンと直接取引するというのも、やはり現実的ではありません。
ネットで施工業者を探しているうちに、「大規模修繕比較.com」のサイトが見つかりました。複数の施工業者を無料で紹介してくれるとのことで、興味を持ちました。
施工業者のホームページはいろいろ見つかりましたが、複数の施工業者を比較できるページは、他に見当たりませんでした。
マンション大規模修繕に関する記事をあれだけのボリュームで掲載しているサイトは、他に見当たりませんでした。お金をあまりかけずに運営している様子なのも、かえって好印象でした。
― 「大規模修繕比較.com」のサイトの中で、どの記事が印象に残りましたか。
いや、実を言うと記事の方はほとんど読みませんでした(笑)。とりあえずフォームから資料を請求して、届いた資料にざっと目を通し、すぐメールで施工業者の紹介を依頼しました。その際、「資本金の規模」と「過去3年の施工件数」についての条件も伝えました。
すぐに「大規模修繕比較.com」から返信があり、条件を満たす施工業者2社を紹介してもらいました。
「大規模修繕比較.com」からは、相見積りを取る際のマンション管理会社の上手な使い方についての、アドバイスももらいました。
他に、区分所有者の知り合いの施工業者1社、理事経験者がネットで見つけた施工業者1社、それにマンション管理会社を加えた、計5社の相見積りを取ることになりました。
― 5社の見積り価格には、どれぐらいの開きがありましたか。
一番高い施工業者と一番安い施工業者で、1千万円近い開きがありました。5社のうち3社は、修繕積立金の積立額ギリギリの価格でした。残り2社のうち、1社は積立額よりも約700万円安い金額でした。1社は積立額を300万円ほどオーバーしていました。
― 5社から見積りが提出された後、施工業者の選定をどのように進めましたか。
価格だけで施工業者を決めるわけにいきませんので、各社の技術力や信頼性を判断するため、修繕委員会の前でプレゼンテーションしてもらう機会を設けました。プレゼンテーションには、見積りを取った5社のうち4社に参加してもらいました。
「大規模修繕比較.com」からは、プレゼンテーションの進め方についてもアドバイスがありました。
― プレゼンテーションで印象に残ったことはありますか。
建物の外に組まれた足場からの夜間の防犯対策など、プレゼンテーション内容そのものには、施工業者間でそれほど大きな違いはありませんでした。ただプレゼンテーションに対する熱意には、施工業者によってかなり差がありました。

(大野氏)
― 最終的に、「大規模修繕比較.com」から紹介された施工業者を選んだポイントを教えてください。
ポイントは3つありました。
1つ目は「価格」です。今回選んだ施工業者は、他3社より500万~600万円安い価格でした。
2つ目は「現場監督の信頼性」です。担当の現場監督が、大手ゼネコンを渡り歩いてきてた経験豊富な方で、こちらからの専門的な質問にもしっかり回答してくれて、安心できると感じました。
3つ目は「熱意」です。プレゼンテーションに熱意があって、この会社に任せれば親身になって対応してもらえると感じました。
― 工事期間中、印象に残ったことはありますか。
工事が始まってからも、工事の進め方について現場監督の方が頻繁に確認に来たのが印象に残っています。
最初は少しわずらわしくも感じたのですが、考えてみればこのマンションの工事に携わるのは初めての会社なのですから、そうやって濃密にコミュニケーションをとるのも大事なことですよね。後になって取り返しがつかなくなるより、そうやって細々と確認してもらった方がずっといいです。
おかげで、私としては前回の大規模修繕よりも満足のいく修繕ができました。
![]() 施工前のエントランス
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![]() 施工後のエントランス
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― これから大規模修繕をするマンション管理組合の方に、何かアドバイスがあればお願いします。
工事中に何か気になったことがuser alt=p class=あったら、つまらないことでも現場監督の方に伝えた方がいいですね。住民の立場じゃないと気づかないことというのはどうしてもあるので、言いにくいことでも遠慮せず伝えたほうがお互いスムーズだと思います。
(「大規模修繕比較.com」長岡) 施工業者と密にコミュニケーションをとることは大事ですね。
工事の仕様にしても、作業の進め方にしても、「これぐらい当たり前だから言わなくてもわかるだろう」と思っていることが、住民と施工業者で違っているために後々トラブルになることはよくあります。
当たり前のように思えることでも、念のため一つ一つ施工業者に確認することが、大規模修繕で後悔しないコツです。

「お役に立てて嬉しいです」(「大規模修繕比較.com」長岡)
貴重なお話をありがとうございました。
※ 取材日:2014年3月